完全なオリジナル作品というのは存在しない。 僕が作品作りに影響を受けた4人

ここ最近4ヶ月ほど継続して少しずつ「ホステル日記」を書いています。

一章約3000~6000文字ほどで、合計20万字ほどになると予想しています。

僕は今までこのような長編を書いた経験はありませんでした。

全てが手探りだったのですが、書いたり消したりまた書いたりを繰り返していくうちに、少しずつですが、自分のスタイルが確立されてきたような気がします。

当然ですが、「誰かに読んでもらいたい」という欲求があるのでネットに公開しています。

僕が2年間海外のホステルで暮らすという経験をし、それを誰かに伝えたい、俺ってこんな経験をしたんだよ!と伝えたいから書いています。

だだ「伝えたい」という想いだけでは伝わるわけではなく、読者の方々に読みやすい文章を心がける必要があります。

そのため、「どうやったら読者が文章を読みやすくなるだろう」と考えながらこれまで書いてきました。

まだまだ上手な文章を書くという道の途中ですが、「何となくこんな構成で書いた方がいいんだろうな」という”文章を客観的に読む余裕”が少しずつ出てきました。とはいってもまだまだ読みやすい文章とは程遠いと思いますが。

そして、作品を制作したことがある人は分かると思いますが、”完全に自分のオリジナルのスタイル”という作品は存在せず、何かしら過去に影響を受けた作品のインスピレーションが自分の作品に嫌でも反映されると自分の文章を客観的に読んでいて分かりました。

絵を描く、ビートを作る、彫刻を彫るなど、制作物なら何でも当てはまると思います。

「ホステル日記」を書く際に影響を受けた4人

1. 村上春樹

僕は大学生の時に彼の本を読み漁り、

「ただの日常を描写しているだけなのに読んでいて面白い」 「読んでいても、感情や出来事の起伏が少ないから心地よく読める」 「描写が非常に細かくて、自分がその場にいるような感覚になる。空気感も感じる。」

と感銘を受けました。

大胆な行動や展開を描写せず、ここまで落ち着いた展開でも、読了後に何ともいえない後味を残せるんだなと感激した記憶があります。

2. Jim Jarmusch (映画監督)

彼の作品であるDown by Lawを初めて見たときは衝撃を受けました。 「こんなのアリなんだ」と思いました。

約2時間に渡り、まるで役者同士が台本なしでただ会話をしているようなスタイルで、この映画のみでなく、Coffee and Cigarettes, Permanent Vacation, Night on Earth, Stranger Than Paradiseなどの作品も同様なスタイルで、

余計な効果音が存在せず、ブーツが砂利を多く含むコンクリートを踏む音、古い作りの建物の床をブーツで歩いた時に軋む音など自然な音を尊重しているようでとても美しかったです。

決してドーパミンが大量に出るような、車が爆発したり、誰かと戦っているような乱闘のシーンが存在しているわけではなく、役者同士が何時間も台本なしで適当に話しているだけのような映画なのですが、

役者自身の感情や思考回路、人生観をのぞいているような、それと同時に何だか他人の会話を盗み聞きしているような描写を計算して意図的に私たちに見せているようで、面白く何回も観た映画たちでした。

jim jarmusch coffee and cigarettes - Google Search

3. Tim Green (DJ)

オーガニックハウスという一定のビートの中にアコースティックやピアノなど実際の楽器の演奏が入っていたり、自然の音(鳥の音、風、水しぶきなど)が混ざっているようなジャンルの音楽で、自然の中で聴くととても合いそうな音楽なのですが、

そのジャンルの中でTim GreenというDJがリミックスした音楽を聴きながらよくパソコン作業をしていることが多いです。

元々ハウスというジャンルは、高城剛さんのメルマガを購読していた時に、ちょうど彼がDJについての話題を多く取り扱っていた時期で、メルマガ内でおすすめの曲をいくつか紹介していたのですが、それを全て聞いていく中で「オーガニックハウス」というジャンルに出会ったという経緯があります。 これらも特別な起伏がなく、一定のリズムで刻まれていて、心地よく聴いていることができます。

- YouTube

舐達麻(ラッパー)

元々英語学習のために海外のラッパーばかり聴いていたのですが、途中からふと「日本のラッパーってどんな感じなんだろう」と疑問に思ったことがあります。

YouTubeで調べたら、舐達麻のBUDS MONTAGEという曲を見つけて聴いてみると、、、衝撃を受けました。。。

僕はこれまでアメリカのラップしか聞いてこなかったのですが、これを聞いた瞬間に

「ビートや雰囲気が日本」 「絶対世界の人が真似できない雰囲気だ」 「英語は簡単な言葉が多いけど、日本語でラップするとこんなに奥深く言葉で表現できるのか。やばすぎ。」

こんな感じで衝撃を受けていたことを今でも覚えています。

ビート、歌詞、リズム全てが起伏がなく美しい曲で、シドニーのホステルに住んでいた時に「日本の音楽流して」と言われて舐達麻を流したことがあるのですが、

曲が流れている間はみんなシーンとして聴き入ってしまい、終わった後は、「誰?」「アーティストの名前教えて」と言われた経験があります。 特に下の2曲が好きです。

音楽だけでなく文章でも、

長いセンテンスの文章を丁寧に書いて時間をかけて説明したり、展開していく体感を早くするために短い文字数で、点を多くして、展開を早く感じさせたり、

「こういう世界の設定で、この描写自体はこのスピード感、ここの描写はこのスピード感」というような、

まるでビートを作成しているような、そしてビートという既に言葉で描写し終えた世界観に乗せるラップを書いているような感覚を、文章を書いているときに確かに感じられる時があります。

オリジナル作品 = 過去に影響を受けた作品のリミックス

ここまで僕の気に入っている作品は、起伏が激しくなく、一定のリズムによって進行していくという共通点があります。

人間が心地よい一定のテンションを好むのか、それとも最初に村上春樹の影響によってその心地よさを知り、そういう作品ばかりに僕だけが惹かれ続けているのか、本当のところは分かりません。

心の奥底で「車を爆発させたり、叫んだりして観客の注意を引かないと引き込めない物語よりも、決して大袈裟に注意を引くような描写はせずに、実力で、一定のトーンで、観客を引き込んでいく作品の方がかっこいい」と思っているのは確かだと思います。

その影響で、自然と僕自信が書く文章にも、一定のトーンで、主人公がどうしてそういう事をしたのかなどの思考回路や、細かい街の描写が読者に伝わるような書き方になってきたと感じでいます。

自分が「自由に書いた」と感じていても、どうしても影響されてきた作品の雰囲気が出てしまいます。(「ホステル日記」だけでなく、このブログ記事自体も、そういう雰囲気が出ているかもしれません。)

こうやって過去何千年にわたって誰かの作品が誰かに模倣され続け、またそこから新しい作品が生まれ、ミルフィーユのように積み重なってきた作品群の中の一つに「ホステル日記」も入り込みたいですし、誰か一人でも僕の作品から何かしらの影響を与えることができたら良いなと思って書いている部分もあります。